三陸に海を見に行く 08 北山崎

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宮古からさらに車で北上して、田野畑村にある北山崎へ行く。照明のないトンネルを久しぶりに走った。停電だそうだ。しかし抜けた先には、よく整備された観光地があった。遊歩道を歩く。

北山崎
北山崎

最後にぐっと内陸に入って、海ではなく地底湖へ。龍泉洞。しりあがり寿のマンガ「青い夜」は傑作だ。

龍泉洞

地底湖の水温は10℃ほどだそうで、思っていたよりも冷たくない。しかしのぞき込むための柵に、救命用の浮き輪がついているのがちょっと怖い。

龍泉洞

私は岩手県宮古市の出身だ。小学校2年生までしかいなかったが、学校は海のすぐそばで、体育の授業で海水浴をした。地震が起きると全校で山へ逃げ、遠足のために買ってあったお菓子を食べた。今思えば先生方が、お菓子の箱を持って走ったわけだ。遠足は中止になり、小学校はのちに山の上に移転した。

ライターとして、東北各地の観光パンフレットやウェブサイトの広告コピーを書いてきた。東日本大震災の数カ月後にも、宮城県のある町に、津波で生徒を失った学校長から支援に対する感謝のコメントと、ぜひ町を見に来てくださいというメッセージをもらいに行った。編集者としてはある宗派の、被災した多くの寺の記録をまとめた本を作った。

私は震災遺構を見たり被災者の報道に触れることが、今でも苦しい。しかし海が好きだし、海を見ると気持ちが落ち着く。これからも、三陸に海を見に行くつもりだ。

三陸に海を見に行く 07 宮古(2)

浄土ヶ浜の北に突き出すのは姉ヶ崎。「休暇村陸中宮古」のホテルとキャンプ場がある。ウォーキングコースが設定されていて、40分で一周するという「自然の小径(こみち)」を歩いた。写真は「ウミネコ展望所」。

姉ヶ崎

アップダウンはあるものの「気軽に歩ける散歩道」というキャッチフレーズの通りだ。ところが現地の案内地図には、ウェブサイトのルートにはなかった「潮吹穴」に行けるとある。海面は穏やかで潮が吹き上がるようすは見られなかったが、急坂を下りてみた。なぜか休憩所が破壊されていてちょっと怖い。

姉ヶ崎

眺めはたいへん良い。しかし戻りの登りはきつい。

姉ヶ崎

さらに北へ。東日本大震災による津波遺構の「たろう観光ホテル」。正面には高い防潮堤があって、今は海は見えない。

田老

次が最後。北山崎プラスアルファ。

三陸に海を見に行く 06 宮古(1)

宮古の浄土ヶ浜は、三陸海岸の白眉である。昼。

浄土ヶ浜
浄土ヶ浜

明け方。逆光になる。

浄土ヶ浜

夕方。岩が正面から日を浴びる。

浄土ヶ浜

遊覧船乗り場やレストハウスを含めて、浜のすぐそばに駐車場はない。高いところに駐めて、例えば第1駐車場に隣接するビジターセンター内のエレベーターや階段、もしくは坂道を下りる。

逆に第1駐車場から遊歩道を上ると、いくつかの展望台がある。急坂もあるので履物は注意が必要だ。写真は「館ヶ崎展望所」に立つ塔で、上りきったところに現れるとちょっとびっくりする。

みやこ浄土ヶ浜遊覧船」は1962年に運航を開始し、2021年1月11日に営業を終えた。私が乗ったのは昨年(2020年)の9月。宮古市は来年、新たな船で遊覧船を復活させたいとしている。

浄土ヶ浜
浄土ヶ浜

第2駐車場から、林の中をまっすぐに下りて浜へ行く道は早い。そしてその駐車場に隣接する「浄土ヶ浜パークホテル」に泊まれば、レストランや大浴場から浜を見下ろせるし、早朝や夕方の散策も楽しめる。ランチだけでもおすすめだ。

浄土ヶ浜

海の見える宿としては、宮古港に面したビジネス系の「ホテル アートシティ」も良い。最上階に大浴場がある。すぐ隣がコンビニで、道の駅も近い。ただし電話でしか予約できず、「作業員の方でずっと満室です」と言われることがある。部屋から見える朝焼けがすごかった。

浄土ヶ浜

浄土ヶ浜だけで1ページになってしまった。次は北へ進んで宮古(2)。

三陸に海を見に行く 05 三陸鉄道

イメージ写真やテレビの画面では、三陸鉄道はいつも海沿いを走っている。しかし実際はかなりの区間は山間(やまあい)を走るし、トンネルも多い。車窓から海を見るなら釜石〜宮古が良い。乗車時間は片道およそ1時間半。

三陸鉄道は南から順に、盛(さかり=大船渡)〜釜石/釜石〜宮古/宮古〜久慈の3区間に分かれている。このうち釜石〜宮古が東日本大震災後に、JR山田線の一部から三陸鉄道になった。

JRは現在、盛〜気仙沼(BRT=バス)、釜石〜花巻、宮古〜盛岡、久慈〜八戸(青森県)で三陸鉄道とつながっている。花巻や盛岡まで新幹線に乗り、乗り換えて釜石か宮古に行けば、釜石〜宮古を含めて周遊できる。

しかし往復乗っても良いというなら、車で行くのも悪くない。そういう(趣味の)人向けに、区間を区切った「1日フリー乗車券」というのも用意されている。釜石〜宮古は2400円。釜石からこれを使った。

車は釜石なら、釜石駅の西隣にある「シープラザ釜石」に駐める。24時間まで500円だ。ちなみに車で行くと「フォルクローロ三陸釜石」も15時〜翌10時の宿泊時間内で1泊500円かかるので、シープラザの方がお得だ。宮古なら「宮古市宮古駅東駐車場」が、やはり24時間まで500円。

釜石駅で待機中の、これが通常ペイントの車両。

三陸鉄道

JRの車両の隣に、これから乗る三陸鉄道のラッピング車両が入ってきたところ。

三陸鉄道

海側に座りたいと思ったら、進行方向と座席をよく確認しよう。

三陸鉄道

宮古駅に到着。ラッピング車両は何種類かあって、「こたつ列車」などの特別車両も走る。

三陸鉄道

宮古駅前の寿司屋「蛇の目 本店」で満足の昼食。復路では浪板(なみいた)海岸が見える場所で徐行し、景色を楽しませてくれた。

別の日に、釜石〜盛(さかり=大船渡)も往復乗ってみた。やはり海がよく見える吉浜のあたりで徐行してくれた。

吉浜

「恋し浜(旧・小石浜)」駅では、記念写真が撮りたくてホームに降りる乗客のために、3分間停車してくれた。盛駅には、JRのBRT(バス)の駅舎が並んでいる。釜石や宮古と違って、しばらく車を駐めておける駐車場がないのが惜しい。

盛駅

次は宮古(1)。

三陸に海を見に行く 04 釜石

釜石で海を見るなら、まずは「釜石大観音」。1970年完成だから50年も前だ。写真は山側にある「釜石市鉄の歴史館」の駐車場から撮った後ろ姿。

釜石

参道のエスカレーターを大観音に向かって登ると、それだけで見晴らしが良い。海に向かってさらに下りていく道があったので進んでみた。もう一つの観音像があった。

釜石

大観音は50m近い高さがあるがエレベーターはなく、階段を12階まで昇る。観音像が抱く魚の部分が展望台になっていて、ガラス張りのフロアを想像して行くと、いきなり海抜120mの、鉄柵だけのバルコニーに出て驚く。

釜石
釜石

港を含む中心部を抜け、北を目指す。鵜住居(うのすまい)で、2019年のラグビーワールドカップの舞台となったスタジアムを見る。正式名称は「釜石鵜住居復興スタジアム」。釜石大観音もこのスタジアムも、ウェブサイトの空撮動画が美しい。

釜石
釜石

スタジアムの先へ進むと根浜海岸。ビーチがあり、キャンプ場があり、さらにその先に漁港がある。

釜石
釜石

宿で便利なのは、釜石駅の隣「ホテルフォルクローロ三陸釜石」。気に入っている点が2つ。1つは三陸鉄道とJRのホームや車両を見下ろせること(趣味)。もう1つはこの宿の部屋で、「NychairX(ニーチェアエックス)」を知ったこと。素晴らしい座り心地で、しかも折りたためる。自分の部屋にほしくてたまならくなるが、4万円以上する…。

港に面した「陸中海岸グランドホテル」も良い。ただし道が分かりにくく、すぐそこに見えていながらたどり着くのに苦労した。部屋の窓から見る夜明けが美しい。

釜石港

ホテルの目の前は堤防だ。しかし窓が付いているし、緊急時には自動で閉まる大きな門が何箇所も開いているから、それほどの圧迫感はない。朝の散歩が楽しい。

釜石港

明け方、この舟に据えたドラム缶に火を焚いて出漁する様子を、部屋の窓から眺めていた。

次は三陸鉄道に乗る。