研究者100人に聞きました

「まなびのめ」という季刊のフリーペーパー+Webサイトで、研究者インタビューを行って14年になる。

http://manabinome.com/

創刊準備号が2007年12月の発行だった。先月発行の53号まで毎号ほぼお二方ずつ、大学にうかがってお話をお聞きしてきた。

東京での取材になったお一人を除く全員分を担当した。数えたら107名にもなっていて、博物館の職員など4名が含まれているが、それ以外は仙台・宮城の大学の研究者だ。

◇テーマ/研究者一覧

http://manabinome.com/interview-2/theme_list

インタビューは、通常1時間半だ。できるだけ予習はして行くものの、お話は思わぬ展開を見せることが多い。場が盛り上がるのは良いのだが、取材終了後にあらためて専門的な本やサイトで確認した上で原稿を書くことも少なくない。

数えたわけではないが、いわゆる文系と理系の割合は半々くらいだろうか。取材のたびに様々な分野を勉強させていただき、本当に楽しくありがたく思っている。

そして最新号では、東北大学を退官後、東北文化学園大学で感染症の研究を続けている渡辺彰先生にお話をうかがった。東北文化学園大学は、私が非常勤講師として文章表現や情報リテラシーの授業を担当している大学である。

発行元は笹氣出版印刷という仙台では中堅どころの印刷会社で、他にも色々なお仕事をいただいてきた。この「まなびのめ」は同社の社会貢献事業であり、私の報酬を含む全てを負担している。

そろそろ他のライターを探すべき時期ではないかと思うが、当面その予定はないとのことだ。誰よりもまず私自身が学びの喜びを味わいながら、今しばらくは担当させていただくことにしよう。

三陸に海を見に行く 08 北山崎

シリーズ最終回。最初から読みたい方はこちらから

宮古からさらに車で北上して、田野畑村にある北山崎へ行く。照明のないトンネルを久しぶりに走った。停電だそうだ。しかし抜けた先には、よく整備された観光地があった。遊歩道を歩く。

北山崎
北山崎

最後にぐっと内陸に入って、海ではなく地底湖へ。龍泉洞。しりあがり寿のマンガ「青い夜」は傑作だ。

龍泉洞

地底湖の水温は10℃ほどだそうで、思っていたよりも冷たくない。しかしのぞき込むための柵に、救命用の浮き輪がついているのがちょっと怖い。

龍泉洞

私は岩手県宮古市の出身だ。小学校2年生までしかいなかったが、学校は海のすぐそばで、体育の授業で海水浴をした。地震が起きると全校で山へ逃げ、遠足のために買ってあったお菓子を食べた。今思えば先生方が、お菓子の箱を持って走ったわけだ。遠足は中止になり、小学校はのちに山の上に移転した。

ライターとして、東北各地の観光パンフレットやウェブサイトの広告コピーを書いてきた。東日本大震災の数カ月後にも、宮城県のある町に、津波で生徒を失った学校長から支援に対する感謝のコメントと、ぜひ町を見に来てくださいというメッセージをもらいに行った。編集者としてはある宗派の、被災した多くの寺の記録をまとめた本を作った。

私は震災遺構を見たり被災者の報道に触れることが、今でも苦しい。しかし海が好きだし、海を見ると気持ちが落ち着く。これからも、三陸に海を見に行くつもりだ。

三陸に海を見に行く 07 宮古(2)

浄土ヶ浜の北に突き出すのは姉ヶ崎。「休暇村陸中宮古」のホテルとキャンプ場がある。ウォーキングコースが設定されていて、40分で一周するという「自然の小径(こみち)」を歩いた。写真は「ウミネコ展望所」。

姉ヶ崎

アップダウンはあるものの「気軽に歩ける散歩道」というキャッチフレーズの通りだ。ところが現地の案内地図には、ウェブサイトのルートにはなかった「潮吹穴」に行けるとある。海面は穏やかで潮が吹き上がるようすは見られなかったが、急坂を下りてみた。なぜか休憩所が破壊されていてちょっと怖い。

姉ヶ崎

眺めはたいへん良い。しかし戻りの登りはきつい。

姉ヶ崎

さらに北へ。東日本大震災による津波遺構の「たろう観光ホテル」。正面には高い防潮堤があって、今は海は見えない。

田老

次が最後。北山崎プラスアルファ。

三陸に海を見に行く 06 宮古(1)

宮古の浄土ヶ浜は、三陸海岸の白眉である。昼。

浄土ヶ浜
浄土ヶ浜

明け方。逆光になる。

浄土ヶ浜

夕方。岩が正面から日を浴びる。

浄土ヶ浜

遊覧船乗り場やレストハウスを含めて、浜のすぐそばに駐車場はない。高いところに駐めて、例えば第1駐車場に隣接するビジターセンター内のエレベーターや階段、もしくは坂道を下りる。

逆に第1駐車場から遊歩道を上ると、いくつかの展望台がある。急坂もあるので履物は注意が必要だ。写真は「館ヶ崎展望所」に立つ塔で、上りきったところに現れるとちょっとびっくりする。

みやこ浄土ヶ浜遊覧船」は1962年に運航を開始し、2021年1月11日に営業を終えた。私が乗ったのは昨年(2020年)の9月。宮古市は来年、新たな船で遊覧船を復活させたいとしている(↓追記参照)。

浄土ヶ浜
浄土ヶ浜

第2駐車場から、林の中をまっすぐに下りて浜へ行く道は早い。そしてその駐車場に隣接する「浄土ヶ浜パークホテル」に泊まれば、レストランや大浴場から浜を見下ろせるし、早朝や夕方の散策も楽しめる。ランチだけでもおすすめだ。

浄土ヶ浜

海の見える宿としては、宮古港に面したビジネス系の「ホテル アートシティ」も良い。最上階に大浴場がある。すぐ隣がコンビニで、道の駅も近い。ただし電話でしか予約できず、「作業員の方でずっと満室です」と言われることがある(↓追記参照)。部屋から見える朝焼けがすごかった。

浄土ヶ浜

浄土ヶ浜だけで1ページになってしまった。次は北へ進んで宮古(2)。

追記:2023年3月

浄土ヶ浜 遊覧船 宮古うみねこ丸(予定通り就航しました)

ホテルアートシティ(ネットで予約できるようになりました)

三陸に海を見に行く 05 三陸鉄道

イメージ写真やテレビの画面では、三陸鉄道はいつも海沿いを走っている。しかし実際はかなりの区間は山間(やまあい)を走るし、トンネルも多い。車窓から海を見るなら釜石〜宮古が良い。乗車時間は片道およそ1時間半。

三陸鉄道は南から順に、盛(さかり=大船渡)〜釜石/釜石〜宮古/宮古〜久慈の3区間に分かれている。このうち釜石〜宮古が東日本大震災後に、JR山田線の一部から三陸鉄道になった。

JRは現在、盛〜気仙沼(BRT=バス)、釜石〜花巻、宮古〜盛岡、久慈〜八戸(青森県)で三陸鉄道とつながっている。花巻や盛岡まで新幹線に乗り、乗り換えて釜石か宮古に行けば、釜石〜宮古を含めて周遊できる。

しかし往復乗っても良いというなら、車で行くのも悪くない。そういう(趣味の)人向けに、区間を区切った「1日フリー乗車券」というのも用意されている。釜石〜宮古は2400円。釜石からこれを使った。

車は釜石なら、釜石駅の西隣にある「シープラザ釜石」に駐める。24時間まで500円だ。ちなみに車で行くと「フォルクローロ三陸釜石」も15時〜翌10時の宿泊時間内で1泊500円かかるので、シープラザの方がお得だ。宮古なら「宮古市宮古駅東駐車場」が、やはり24時間まで500円。

釜石駅で待機中の、これが通常ペイントの車両。

三陸鉄道

JRの車両の隣に、これから乗る三陸鉄道のラッピング車両が入ってきたところ。

三陸鉄道

海側に座りたいと思ったら、進行方向と座席をよく確認しよう。

三陸鉄道

宮古駅に到着。ラッピング車両は何種類かあって、「こたつ列車」などの特別車両も走る。

三陸鉄道

宮古駅前の寿司屋「蛇の目 本店」で満足の昼食。復路では浪板(なみいた)海岸が見える場所で徐行し、景色を楽しませてくれた。

別の日に、釜石〜盛(さかり=大船渡)も往復乗ってみた。やはり海がよく見える吉浜のあたりで徐行してくれた。

吉浜

「恋し浜(旧・小石浜)」駅では、記念写真が撮りたくてホームに降りる乗客のために、3分間停車してくれた。盛駅には、JRのBRT(バス)の駅舎が並んでいる。釜石や宮古と違って、しばらく車を駐めておける駐車場がないのが惜しい。

盛駅

次は宮古(1)。