三陸に海を見に行く 05 三陸鉄道

イメージ写真やテレビの画面では、三陸鉄道はいつも海沿いを走っている。しかし実際はかなりの区間は山間(やまあい)を走るし、トンネルも多い。車窓から海を見るなら釜石〜宮古が良い。乗車時間は片道およそ1時間半。

三陸鉄道は南から順に、盛(さかり=大船渡)〜釜石/釜石〜宮古/宮古〜久慈の3区間に分かれている。このうち釜石〜宮古が東日本大震災後に、JR山田線の一部から三陸鉄道になった。

JRは現在、盛〜気仙沼(BRT=バス)、釜石〜花巻、宮古〜盛岡、久慈〜八戸(青森県)で三陸鉄道とつながっている。花巻や盛岡まで新幹線に乗り、乗り換えて釜石か宮古に行けば、釜石〜宮古を含めて周遊できる。

しかし往復乗っても良いというなら、車で行くのも悪くない。そういう(趣味の)人向けに、区間を区切った「1日フリー乗車券」というのも用意されている。釜石〜宮古は2400円。釜石からこれを使った。

車は釜石なら、釜石駅の西隣にある「シープラザ釜石」に駐める。24時間まで500円だ。ちなみに車で行くと「フォルクローロ三陸釜石」も15時〜翌10時の宿泊時間内で1泊500円かかるので、シープラザの方がお得だ。宮古なら「宮古市宮古駅東駐車場」が、やはり24時間まで500円。

釜石駅で待機中の、これが通常ペイントの車両。

三陸鉄道

JRの車両の隣に、これから乗る三陸鉄道のラッピング車両が入ってきたところ。

三陸鉄道

海側に座りたいと思ったら、進行方向と座席をよく確認しよう。

三陸鉄道

宮古駅に到着。ラッピング車両は何種類かあって、「こたつ列車」などの特別車両も走る。

三陸鉄道

宮古駅前の寿司屋「蛇の目 本店」で満足の昼食。復路では浪板(なみいた)海岸が見える場所で徐行し、景色を楽しませてくれた。

別の日に、釜石〜盛(さかり=大船渡)も往復乗ってみた。やはり海がよく見える吉浜のあたりで徐行してくれた。

吉浜

「恋し浜(旧・小石浜)」駅では、記念写真が撮りたくてホームに降りる乗客のために、3分間停車してくれた。盛駅には、JRのBRT(バス)の駅舎が並んでいる。釜石や宮古と違って、しばらく車を駐めておける駐車場がないのが惜しい。

盛駅

次は宮古(1)。

三陸に海を見に行く 04 釜石

釜石で海を見るなら、まずは「釜石大観音」。1970年完成だから50年も前だ。写真は山側にある「釜石市鉄の歴史館」の駐車場から撮った後ろ姿。

釜石

参道のエスカレーターを大観音に向かって登ると、それだけで見晴らしが良い。海に向かってさらに下りていく道があったので進んでみた。もう一つの観音像があった。

釜石

大観音は50m近い高さがあるがエレベーターはなく、階段を12階まで昇る。観音像が抱く魚の部分が展望台になっていて、ガラス張りのフロアを想像して行くと、いきなり海抜120mの、鉄柵だけのバルコニーに出て驚く。

釜石
釜石

港を含む中心部を抜け、北を目指す。鵜住居(うのすまい)で、2019年のラグビーワールドカップの舞台となったスタジアムを見る。正式名称は「釜石鵜住居復興スタジアム」。釜石大観音もこのスタジアムも、ウェブサイトの空撮動画が美しい。

釜石
釜石

スタジアムの先へ進むと根浜海岸。ビーチがあり、キャンプ場があり、さらにその先に漁港がある。

釜石
釜石

宿で便利なのは、釜石駅の隣「ホテルフォルクローロ三陸釜石」。気に入っている点が2つ。1つは三陸鉄道とJRのホームや車両を見下ろせること(趣味)。もう1つはこの宿の部屋で、「NychairX(ニーチェアエックス)」を知ったこと。素晴らしい座り心地で、しかも折りたためる。自分の部屋にほしくてたまならくなるが、4万円以上する…。

港に面した「陸中海岸グランドホテル」も良い。ただし道が分かりにくく、すぐそこに見えていながらたどり着くのに苦労した。部屋の窓から見る夜明けが美しい。

釜石港

ホテルの目の前は堤防だ。しかし窓が付いているし、緊急時には自動で閉まる大きな門が何箇所も開いているから、それほどの圧迫感はない。朝の散歩が楽しい。

釜石港

明け方、この舟に据えたドラム缶に火を焚いて出漁する様子を、部屋の窓から眺めていた。

次は三陸鉄道に乗る。

三陸に海を見に行く 03 大船渡

大船渡で海を見ると言えば碁石海岸。情報サイトも充実している。インフォメーションセンターやレストハウス、キャンプ場は高いところにある。その手前の、えびす浜の食堂で昼食をとった。

岩の形が気に入って、寄って見る。

碁石海岸

インフォメーションセンター前に車を停めて、遊歩道を歩いた。灯台を経て、先ほどのえびす浜まで続いている。

碁石海岸
碁石海岸

碁石海岸の見どころの一つ、穴通磯は少し北に離れている。駐車場からちょっとだけ歩く。

碁石海岸

宿は大船渡湾の「大船渡温泉」を選んだ。やって来た雲のせいで写真は暗いが、2014年にできただけあってきれいだった。温泉の大浴場からは、もちろん海が見える。

大船渡

次は釜石。

三陸に海を見に行く 02 気仙沼

2019年4月、気仙沼の本土と大島が橋でつながった。船では30分ほどかかったが橋は300mほどで、車だとあっけないくらいだ。北(本土側)の三ノ浜と南(大島側)の磯草に駐車場があって、磯草にはちょっとした展望台もある。車を停めて対岸まで歩くと楽しいのだが、歩道はなぜか駐車場の反対側にしかない。

大島側の駐車場から。

気仙沼大島

車道の反対側。

気仙沼大島

橋を渡って本土側から。

大島に限らず、自転車があると小さな港や浜に行けるのが楽しい。写真の右のほうに、小さく写っているのが大橋。

気仙沼大島

大島を南下する。小田の浜(こだのはま)海水浴場。2020年はコロナ禍で開設できなかった。

大島の南端、龍舞崎(たつまいざき)。遊歩道と灯台が良い。

気仙沼大島
気仙沼大島

龍舞崎には食堂もあった。「本日の刺身定食」はマグロ、メカジキ、イカ。ごちそうさま。

気仙沼大島

気仙沼の宿のお気に入りは、本土側の港にある「気仙沼プラザホテル」だ。港が見下ろせる大浴場は温泉である。

明後日(2021年3月6日)には気仙沼湾を横断する橋がかかる。こちらは1300m以上あり、これで宮城県内の三陸自動車道は全てつながる。

次は岩手県に入って大船渡。

三陸に海を見に行く 01 奥松島

去年(2020年)9月から今年2月にかけて、海を見に行った。

南から順に、奥松島、気仙沼、大船渡、釜石、宮古。

展望台があれば登ってみた。遊歩道があれば歩いてみた。起伏の小さい道があれば、車に積んでいった自転車で走ってみた。

できるだけ海が見える宿に泊まった。素泊まりか朝食だけにして、夕食は買ったものを部屋で食べて済ませた。昼は店で、海のものを食べた。

奥松島は、まず大高森。東北では小さな山を「森」と呼ぶことがあって、宮澤賢治の童話「狼森と笊森、盗森(おいのもりとざるもり、ぬすともり)」もそう。

大高森は高さ100m強で、ほぼ海面の高さから登る。かかる時間は標識に「山頂展望台まで0.7km(徒歩約15分)」とある通り。ただし階段ではないから、ヒールの高い靴やサンダルではちょっと厳しい。登り口と、道を挟んだ宮戸地区復興再生多目的施設「あおみな」に駐車場がある。

山頂。

大高森
大高森

大高森を下りて自転車で南に向かう。里浦。

里浦

さらに南へ。大浜。

大浜

次は気仙沼。